聞き上手になる!ビジネスシーンで求められる2つの聞き方

[記事公開日]2018年1月29日

「聞き上手」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか?「聞き上手」といっても、ビジネスシーンでの聞き上手は、大きく分けて2種類あります。それは、「相手が話しやすくなる聞き上手」と「正確に聞く聞き上手」です。ビジネスの場では、両方ができて初めて「聞き上手」となるのです。

 

ビジネスシーンにおいては、プレゼンや交渉事など、「話す力」の方が重要と思われがちです。しかし、どんな作業でも、まずは相手の話を聞くこと、そして、聞いた内容を理解することから始まります。今回は、2種類の「聞き上手」の技術について、ご紹介します。

  1.  相手が話しやすくなる聞き上手

一般的に「聞き上手」といった場合、こちらの「聞き上手」が思い浮かぶのではないでしょうか。相手がお客さんであれ、上司や部下であれ、相手が自分に対して「この人、話しにくいな」と感じさせてしまったら、それだけでマイナスの状況です。逆に、自分が話しかけようとしている相手が、自分のことを「この人、話しやすい人だな」と感じていたら、どうでしょう?きっと、相手が自分を受け入れてくれる雰囲気ができあがるでしょうから、自分から話しかけるときのハードルが、ぐっと下がる気がしませんか。具体的には、このような「聞き上手」には、①相手にとって自分が話しやすいキャラクターであること②誰に対しても常に同じ態度でいるという特徴があります。

①相手にとって自分が話しやすいキャラクターである

自分が「話し手」の立場になったことを想像してみると、「聞き上手」になるためのコツがわかります。

  • 朗らかな笑顔を作る
  • 相手の話を楽しそうに聞く
  • 相手の話について熱心に質問をする
  • 相手の話に共感する
  • 相づちの声を地声よりワントーン高くする

など、実はとても単純なことです。

 

しかし、言葉にすると単純なコツであっても、「自分はそんなキャラではない」「やりたくないな」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、私もそんな一人です。そのように思う理由は、これらのコツが自分のキャラクターに一致しておらず、実践することのハードルが高いと感じるからです。私自身は、自分がクール系のキャラクターでいることが好きなので、小さい頃から「もっと、にこにこした方がいいのに」とアドバイスをされてきました。「すごーい」と共感の声を出すのが、ぶりっ子のような気がしてしまうため、苦手でした。

 

しかし、社会人になってから、そんな私の苦手意識を変える女性に出逢いました。彼女は、上記の「相手が話しやすくなる聞き上手になるコツ」をすべて体現している人で、私も廊下や休憩室で会うと、彼女に対して「雰囲気がよく素敵な人だな、話しやすそうだな」と感じていました。わたしが「ぶりっ子」と感じていた聞き上手のためのコツは、「社会人としてスマートな人の行い」なのでしょう。そう考えると、自分のキャラクターなどは関係なく、ビジネスの場で必要なことと思えるようになりました。

 

②コツを実践できるとしても、誰に対しても常に同じ態度でいる必要がある

彼女が「ぶりっ子」ではなく「スマートな人」であった裏には、大きな努力がありました。彼女は、誰に対しても常に同じ態度で接していたのです。決して、自分の得になる人だけではなく、相手が男性でも、女性でも、そして仕事で関係のない私にでさえも、同じ態度で接していました。

 

自分が「話し手」の立場になって考えてみると、聞き手が誰に対しても同じように「聞き上手」であることは、「信用」「安心感」といった観点から、重要なポイントです。いくら話し手だけに「聞き上手」として接していても、他の人にも同じ態度で接していなければ、話し手からの「信用」を得ることはできず、話し手に「安心」して話してもらうことができません。

 

聞き上手になるコツを周りのすべての人に実行することは、相当パワーのいることです。ですから、自分の得意とするところから始め、誰に対しても同じく実践することが大切です。

 

 

  1. 正確に聞く聞き上手

ビジネスシーンでのもう一つの聞き上手は、「正確に聞くこと」です。もっというと、「正確に聞く」→「理解する」→「的を射た答えや質問をする」ということです。そのために必要なことは、

  • まずは、とにかく聞く
  • そして、なるべく最後まで聞く
  • わかった気がしても、自分が早合点していないかを確認しながら聞く
  • 最後まで聞いたら、自分の理解が正しいか確認する
  • 聞かれたことに短く答える

というステップです。

 

最近、2名の後輩と一緒に仕事をする機会があったのですが、対照的なふたりで、とても印象に残りました。同じ指示をしても、仕事の出来が全く異なるのです。それは、「きちんと聞いているかどうか」に起因していました。

 

ふたりをAくん、Bくんとします。

①話を最後まで聞くAくん

Aくんは、まず、話し手が言っていることに、よく耳を傾けています。話の途中で答えを返すことは少なく、後で大きな齟齬がありそうなときのみ、「こういう意味でしょうか?」と質問をしてきます。話を聞き終わった後は、内容を吟味し、「こういう場合は、こうなります」と、話し手が聞きたいことをズバリと短く答えてきます。

②話の途中で答えるBくん

一方、Bくんは、相手が話している途中で、答えを返してきます。その内容は、話し手が聞きたいことではない場合も多く、更に、話し手からの質問が必要となる場合があります。また、回答がとても長く、確認したかったことではない内容が多く含まれているため、相手が、回答の内容を吟味した上で、再度、質問をしなくてはならなくなってしまいます。

 

この対照的なふたりと接して、必要とする労力があまりにも異なるため、はっとしました。特に、忙しいとき、余裕のないときに、私は、Bくんではなく、絶対にAくんに確認していました。Bくんに確認すると、Aくんの倍以上の時間や労力が掛かってしまうのです。

 

一方で、私自身、自分の行動を振り返るためのよい機会となりました。元々、Aくんは、人よりも物静かで、よく話を聞くタイプなのです。ときに自分も上司や部下に対し、また、お客さんに対し、Bくんのように接していないか、気を付けるようになりました。

 

ビジネスのシーンでは、話すことも重要ですが、聞くことから始まります。まず、相手の言っていることを正確に理解して初めて、仕事ができるのです。目標や要件がずれたところからスタートすることは、手戻りの大きな原因となります。「まずは聞く」というスタンスから、そのような無駄は、省くことができるのです。

 

最後に

「聞く」という行為は、話し手のペースで進むため、聞き手は聞いていれば成り立つように感じられます。しかし、ただ聞いていても、いいコミュニケーションにはならないのです。聞き手は、まず、話し手がどんな聞き手であれば話しやすいか、そのキャラクターを想像し、それを実践する必要であります。また、それが、「誰か」や「あるタイミング」でだけではなく、常に実践されることで、「話し手が話しやすいと感じる聞き手」となることができるのです。さらに、ビジネスシーンにおいては、コミュニケーションの正確さが重要になります。相手の考えと自分の理解が同じかどうか、認識合わせが必要です。そのためには、まず、相手が話していることをとにかく聞き、「正確に聞く聞き上手」になることが何よりも大切になります。

 

「話し手が話しやすいと感じる聞き手」も「正確に聞く聞き上手」も、まずは相手の立場に立って考えることが必要となります。一言で、「相手の視点に立って考える」といっても、これは、「自分と相手の視点で2倍考える」ということに等しいのです。そのため、いい聞き手になることは、パワーを要することですが、「聞くこと」は仕事を始めるための第一歩となります。いい仕事をするために、まずは、相手の視点で考え、話を聞くことに努めてみることが大切です。